箕面市平和のまち条例を作る会

タグ:中井多賀宏 ( 1 ) タグの人気記事

意見陳述 (3)

意見陳述 (3)

「箕面市平和のまち条例」意見陳述」 
2007年3月2日
箕面市平和のまち条例をつくる会
代表請求者 中井多賀宏


             
<はじめに>
 民間憲法研究団体ベーツ憲法研究所代表・みのお9条の会呼びかけ人をしております中井多賀宏と申します。現在は憲法書をはじめとした法律書籍の著述業をしております。また、様々な場所で憲法の講義をさせて頂いております。
 その憲法講師としての経験から感じることなのですが、市民の皆さんは非常に憲法に対する関心が高いということです。その中でもとりわけ9条に対する関心の高さはこちらが驚かされるほど熱心に勉強に取り組まれています。
 そう言った経緯から、まずは憲法9条と本条例案との関係からお話をさせて頂こうと思います。


<憲法9条との関係について>
 日本国憲法の最高理念は憲法13条に謳われている「個人の尊厳」です。そしてそれを支える重要な柱として「国民主権」「基本的人権の尊重」と共に、日本国憲法の三大原則に数えられるのが憲法9条の「平和主義」の理念です。
憲法9条2項には「国の交戦権は、これを認めない」と明記されています。この点について、これは、日本国憲法が徹底した平和主義を採っている現れと解されております。
 憲法前文における平和主義、そして国際協調主義と相まって憲法9条が定められた趣旨は、まさに徹底した戦争放棄を意味しているものであると考えられます。
この点から考えるに、この平和条例は憲法9条の具現化であり、世界でもまれに見る徹底した平和主義を採用している日本国憲法の精神にしっかりと合致したものであると解されます。
この点、「平和施策を推進する」という宣言を平時から発するものである平和条例は、国法の最高規範である憲法の精神を具体的に現すものであり、殊に、市民の意見を集約した署名による条例制定請求によって発案されたものであるということは、非常に意義があるものであると思います。
たとえ9条1項の解釈をいかに捉えたとしても、先述しましたように、9条2項において、国の交戦権を否定している一文がしっかりと明記されていることから、国を始めとして地方公共団体に於いても、平和施策を実施することが予定されているものであると考えます。
その意味からも、この平和条例を制定することは、憲法9条が、あらかじめ予定しているものであると考えることができると思います。そしてその事こそが、真に「市民を戦争の惨禍から守る」ということになると考えます。


<憲法前文「平和的生存権」との関係>
憲法前文の法的効力、つまり「平和的生存権」の法的性質について考えてみようと思います。
 通説的には「法規範性はあるが裁判規範性はない」と解釈されています。
すなわち、前文は、努力目標と言うほど弱くはないが(これを「プログラム規定」と言います)、裁判所で具体的に問題に出来るほどの具体性がない、つまり、具体的立法が成されて初めてその効力が発揮される、と主張されることがあります。
しかし、憲法前文も憲法改正手続を経なければ変えることが出来ないものであるということ、そして、平和的生存権は平たく言えば「平和に生きる権利(the right to live in peace)」として、戦争による惨禍が市民に降りかからないようにするという内容を持った本条例により具体化は充分に可能であり、そしてそれを実際に施行することこそが、今まさに必要であると思います。そして、それこそがまさに、この平和条例の持つ意義であると考えられます。    
なにより、箕面市が平時からこのような条例を日本で最初に宣言することは、国内はもとより諸外国においても注目を浴びることになると思います。従って、それを機に、本当の意味での平和な世界が、この箕面市から築いていくことが出来るものであると思います。
 このように、真の平和、そして市民の安全・幸福のために、その一歩を最初に踏み出すのがこの箕面市であるということは、何物にも代え難い宝であると考えます。
 憲法の最高利念である「個人の尊重」、そして、「戦禍から市民を守る」ということの本当の意義が、この平和条例に詰まっていると考えています。


<憲法25条「生存権」との関係>
また、憲法には25条において「生存権」が規定されています。この「生存権」は、まず1項において「健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」と規定されています。そして2項において、1項における生存権を具体的に実現するために努力する義務があることが規定されています。
そしてこの生存権は「社会権」としての性質を有するものであり、市民が国家に対して請求していく権利であるということを意味します。
この点、25条の「生存権」は、これまで主に経済的な見地から理解・運用されてきました。
しかし、「平和の中に生きる」ということも、「健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」という25条の精神に合致するものであると解釈することが可能であると考えます
その意味で、この25条「生存権」の具現化として平和条例を制定する必要性は非常に高いものでありますし、またそれを整備することが、国家をはじめとして、地方自治体においても憲法の精神に合致するものであると思います。


<条約・憲法と条例の関係>
また、法律間の優劣関係という問題があり、学説における通説的見解は、「憲法→条約→法律→条例」というように解釈されています。
この点、現行のいわゆる一連の有事立法は、憲法前文・9条・25条などの精神に反するものである疑いが強いことから、「下位法である条例が上位法である法律に反することはできない。従って、有事法と矛盾するように思われる平和条例は制定できない」という主張は、実のところ成り立たないと考えています。
法規の効力における優劣関係としては先程の解釈以外に、「条例→憲法・・・」という解釈も主張されることもあるのですが、少なくとも憲法違反の条例は、国内法的効力としては無効であると解する説が学説においても通説的見解を占めています。
従って、逆に、憲法に合致する条約であるならば、憲法上の規定にもあるように、国民に周知する義務や、誠実に遵守する義務が発生します。
この点、ジュネーブ条約、そしてジュネーブ条約追加議定書は憲法の精神に合致した条約であると解されるところ、国家はもとより、地方自治体においても、市民に対して周知する義務や、誠実に遵守する義務があると思います。
そのためにもこの平和条例を制定し、平時から周知していくことは、憲法の精神に合致するものであると考えます。


<地方自治の役割、そして地方自治の本旨について>
中央の議会制民主主義は、多数の意見を集約して統一的に実行するために「民意の統合」が重視されます。
それに対して、地方自治体は、中央の議会制民主主義を補完するものとして、「民意の反映」、すなわち、直接民主主義の色合いが強い制度が採用されています。
今回の市民の意見による条例制定の直接請求はまさに「民意の反映」の結果であると考えます。
憲法上「地方自治の本旨」と言われる理念の具体的な内容は、「団体自治」「住民自治」というものであります。すなわち今回のような条例制定の直接請求は、まさに「地方自治の本旨」であるところの「住民自治」、すなわち、先述しましたように「民意の反映」の具体的現れであると考えられます。
それ故、今回集まった市民による署名の重さは、箕面市において「住民自治」がしっかりと機能しているものであると思います。そしてその意思を尊重して頂けることを心から願っています。


<終わりに>
 以上のように、本条例は平和施策への取り組みを平時から推進していくことを宣言するものであり、 真の意味で市民を守るものであると考えています。
 市民の意思である平和を希求する精神を、日本全国に対して、そしてひいては世界各国に向けて発信していく起点が、この箕面市になれば、これ以上に素晴らしいことはないと思います。
 全国に先駆けて、箕面市からスタートを切ろうではありませんか。皆様のご賛同を心から願ってやみません。
[PR]
by heiwa-minoh | 2007-03-04 06:24



箕面市で平和条例を制定すべく直接請求の署名を集めています 
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
無防備宣言に賛成する箕面..
from 愉快な市民派たち@箕面
市民を犠牲にする覚悟(無..
from 愉快な市民派たち@箕面
続・箕面市の無防備地域宣..
from 愉快な市民派たち@箕面
続・箕面市の無防備地域宣..
from 愉快な市民派たち@箕面
箕面市も他人事ではない「..
from 愉快な市民派たち@箕面
箕面市も他人事ではない「..
from 愉快な市民派たち@箕面
無防備宣言Q&Aからのぞ..
from 愉快な市民派たち@箕面
無防備マンをぶっ飛ばせ~..
from 雑感だらけ
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧